早期発見で転移を防ぐ|前立腺がんは免疫療法で

免疫細胞の種類と活用法

屋内

がん治療に役立つ免疫細胞

人間の体はよくできた免疫システムによって小さな外敵から守られています。免疫システムを担う白血球は血液中の重量比では3%に過ぎませんが、その役割はとても重要です。白血球には顆粒球・リンパ球・単球の3種類があります。そのうち半数以上を顆粒球が占めており、顆粒球のおよそ9割が好中球です。好中球は細菌や真菌などが体内に侵入した際に処理する役目を果たします。活性酸素や酵素の作用で細菌類を消化した後、自らは死んで膿となります。傷ついた個所が化膿するのは、大量の好中球が細菌と戦った証拠なのです。このように好中球などの顆粒球は大切な役割を果たしていますが、増えすぎると弊害が出てきます。顆粒球6にリンパ球3という割合が理想とされる免疫バランスが崩れると、さまざまな病気を発症しやすくなるのです。遺伝子複製ミスによって起きるがんはその代表格です。免疫システムは外部から侵入した細菌やウイルスばかりでなく、体内で発生するがん細胞も排除しています。人間は健康状態でも毎日数千個のがん細胞が発生していますが、通常はリンパ球が排除しています。リンパ球の持つこの能力を、がん治療に活用しようという試みが免疫療法です。

NK細胞とT細胞が主役

ストレスや生活習慣の影響で体内の免疫バランスが崩れると、リンパ球の数が相対的に減少してしまいます。毎日発生するがん細胞への対応も鈍くなり、増殖を許してしまうのです。がん患者の大半ではリンパ球の活動低下が認められ、免疫システムが弱体化しています。このリンパ球を再び活性化させ、全身に散在するがん細胞を退治させようというのが免疫療法なのです。リンパ球にもいくつかの種類がある中で、免疫療法に適しているのはNK細胞とT細胞です。NK細胞は正常細胞と異なる細胞を見つけ次第無差別に攻撃する性質を持っています。T細胞はがん抗原を持つ細胞を目印としてピンポイント攻撃を仕掛けます。両者の違いをうまく利用して、それぞれに特化した免疫療法が開発されてきました。NK細胞を使うNK細胞療法やAKK療法では、サイトカインという免疫物質が分泌されることで発熱の副作用も見られます。それだけ強力な効果が発揮されている証拠です。T細胞を使う方法では樹状細胞療法やガンマデルタT細胞療法などが代表的です。こうした免疫療法をがん治療に採用する病院も大都市を中心に増えてきました。免疫療法は最も自然状態に近いがん治療と言えます。

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